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人類の航空戦力を凌駕する正体不明の飛翔体『ザイ』。上海脱出船団に乗り合わせた鳴谷慧はザイによる襲撃を受けるが、赤く輝く謎の機体に命を救われる。避難先の小松市で慧はある日、 見覚えのある赤い機体を目にする。それが運ばれた先は……航空自衛隊の小松基地だった。
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自分を救ってくれた機体、「グリペン」と邂逅した慧。『ドーター』と呼ばれるその機体には、人工生命体『アニマ』が乗っており、それこそが慧の出会った少女・グリペンだと技官の八代通は言う。
八代通から言われるままに、アニマのグリペンとの時間を過ごす慧。小松の街をめぐりながら、慧はグリペンとの交流を深めていく。
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理由は未解明のままながら、慧といることで安定を得るグリペン。二人はテストフライトに向け、シミュレータ訓練やトレーニングを続ける。
テストフライトをクリアし、前線で戦うことが可能になれば、ザイを駆逐し切るのも遠い未来ではない。だがある日、思いがけないところから慧は、ドーターとアニマの真実を知るのだった。
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トラブルが生じて、中止となったテストフライト。グリペンが廃棄処分されると聞いた慧は基地へ忍び込み、グリペンを連れ出そうと試みる。しかしそこに、ザイ襲来のアラートが無情にも響く。
グリペンが安定する条件は慧が近くにいること。悩み考えた末に慧は、グリペンと共に搭乗し、出撃することを決意するのだった。
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イーグルとの模擬戦に、グリペンは連戦連敗。得意げなイーグルと反発するグリペン。そんな二人の不仲に慧が頭を悩ませる中、新たなアニマ、ファントムが三沢基地から呼び寄せられた。
八代通は、3機のドーター・アニマにより編成される特殊部隊「独立混成飛行実験隊」――通称「独飛」の設立を宣言する。
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だまし討ちのような方法で、グリペンとイーグルを模擬戦で圧倒したファントム。憤る慧に対しファントムは、勝つためにはあらゆる手段を取るのが当然と言う。個性が強く、折り合わないアニマたちに不安を覚える慧。
そんな矢先、ザイが前線基地を造っているという緊急連絡が飛び込み、独飛として初めての作戦が立案される。
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ファントムの身勝手さに噛みつくイーグル。意見や思想が食い違い、バラバラの独飛。一計を案じた慧は、敗者は勝者の言うことを何でも聞くという条件で、再び模擬戦をしようと提案する。
ファントムは、自分が勝ったら慧とグリペンのパートナーを解消してもらうとほのめかす。それでも慧は、不敵に笑って再戦を申し入れる。
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慧たちの奇策により、作戦は一応の成功を収めた。小松に戻り、日常を過ごす慧は、ある日、明華とケンカになる。
仲直りできないまま、任務でやってきた那覇基地で明華の姿を見つけて仰天する慧。口を利こうとしない明華に一方的に話し続けていると、ようやく慧に向き合った明華から、決定的な言葉が……。
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久しぶりの休日を明華と過ごそうとする慧。しかし、出かけようとしたところを、八代通とグリペンにむりやり厚木基地まで連れ去られてしまう。
『DARPA』のシャンケルと、米軍所有のアニマ・ライノを紹介される慧たち。シャンケルの口から語られたのは、日米のアニマを投入し、ザイに対して攻勢に出るという逆侵攻作戦の計画だった。
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上海への侵攻作戦を間近に控える独飛の面々。とりわけファントムは、作戦の裏に潜む政治的な思惑を危惧していた。無事に戻って来られる保証はどこにもないことを知った慧は、きちんと明華に向き直り、話をしようと決意する。
いよいよ始まる作戦を前に、空母ジェラルド・R・フォードでライノたちから歓待を受ける慧だったが......。
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いよいよ開始された上海奪還作戦。無人戦闘機『ブロウラー』との連携により、慧たちはザイを駆逐していく。だがザイの反攻により、慧とグリペン、ライノは戦線から離脱してしまう。
母艦への帰投もままならず、一番近い上海の浦東空港に降り立った慧たち。しかしそこは、人の気配を感じられず、不気味なほどに静まり返っていた。
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不調なグリペンをホテルで休ませ、慧とライノは空港内を探索する。部隊へ連絡もつかず、戻れない状況を焦る慧だったが、ライノは異様なまでに楽観的。警戒心を強める慧にライノは言う。作戦を忘れ、自由にならないか、と。
一方で、グリペンは夢を見続ける。向かうべき場所、進むべき時間、出会うべき人が、白い記憶と共に揺らぎ――。